DAP: 仕向地持込渡し (Incoterms® 2020)
DAPでは、物品が指定仕向地に到着し、トラックやコンテナに載ったまま荷卸しの準備ができた時点で、売主の引渡しが完了します。輸入通関と関税は買主の負担です。
早わかり
輸送手段すべての輸送手段
買主への引渡し・危険の移転指定仕向地で、荷卸しの準備ができた状態
主運賃の負担者売主
保険義務なし
輸出通関売主
輸入通関・関税買主
仕向地での荷卸し買主
書き方
DAP + 仕向地の完全な住所 + Incoterms 2020。例:DAP Buyer's warehouse, Plot 5, Industrial Area, Nairobi, Kenya Incoterms 2020。
売主が行うこと
- 輸出通関を行い、第三国を通過する場合はその手続きも手配する。
- 指定仕向地までの運送契約を結び、運賃を支払う。
- 物品が仕向地に到着するまで、滅失・損傷の危険を負う。
- 買主が物品を引き取るために必要な書類を渡す。
買主が行うこと
- 仕向地で物品を荷卸しする。
- 輸入通関を行い、関税と税金を支払う。
- 物品が荷卸しの準備ができた状態で自らの処分に委ねられた時点から危険を負う。
- 輸入通関が遅れて引渡しが遅延した場合、追加費用を支払う。
使う場面
DAPは、持込価格で見積もりつつ、輸入手続きは自国の税関をよく知る買主に任せたい売主に向いています。トラック輸送、クーリエ、ドア・ツー・ドアのコンテナ輸送でよく使われます。
よくある間違い
- 都市名だけのようなあいまいな仕向地。追加の配送料や紛争のもとになる。完全な住所を書くこと。
- 買主の輸入通関が遅れた場合のデマレージや保管料の負担者を決めていない。
- 売主が輸送中の危険を自ら負うことを忘れ、物品を無保険のままにする。
DAPとDDPの違い
違いは輸入通関だけです。DDPでは売主が輸入通関も行い関税と税金を支払いますが、DAPではそれらは買主の負担です。
日常業務向けにIncoterms® 2020をわかりやすくまとめた要約です。正式な規則は国際商業会議所(ICC)が発行しており、最終的には契約書の文言で決まります。Incoterms®はICCの登録商標です。
Incoterms 2020の全11規則
よくある質問
DAPでは輸入関税は誰が払いますか?
買主です。DAPでは売主が仕向地まで引き渡しますが、輸入通関、関税、税金は買主の責任です。
DAPでは誰が荷卸ししますか?
買主です。物品が荷卸しの準備ができた状態で仕向地に着いた時点で、売主の引渡しは完了します。売主に荷卸しさせるなら、代わりにDPUを使います。