DDP: 関税込持込渡し (Incoterms® 2020)
DDPは売主の負担が最も大きい規則です:売主は輸入通関を済ませ、関税と税金を支払ったうえで指定仕向地まで届けます。買主は荷卸しするだけです。
早わかり
輸送手段すべての輸送手段
買主への引渡し・危険の移転指定仕向地で、荷卸しの準備ができた状態
主運賃の負担者売主
保険義務なし
輸出通関売主
輸入通関・関税売主
仕向地での荷卸し買主
書き方
DDP + 仕向地の完全な住所 + Incoterms 2020。例:DDP Buyer's store, 45 Main Street, Toronto, Canada Incoterms 2020。輸入VATを除外する場合は、"DDP ..., VAT unpaid"のように明記します。
売主が行うこと
- 輸出通関と輸入通関を行う。
- 輸入関税と税金を支払う。契約で除外しない限り、VATやGSTも含む。
- 指定仕向地までの運送契約を結んで運賃を支払い、到着まで危険を負う。
- 荷卸しの準備ができた状態で物品を引き渡す。
買主が行うこと
- 仕向地で物品を荷卸しする。
- 売主の費用で、輸入通関に必要な情報の提供に協力する。
- 物品が荷卸しの準備ができた状態で自らの処分に委ねられた時点から危険を負う。
- 価格に想定どおりの関税と税金がすべて含まれているか確認する。
使う場面
DDPは、輸入国をよく知り、現地で輸入者(Importer of Record)になれる売主に向いています。例えば、現地の代理人を使う越境EC事業者です。多くの小規模輸出者にとってはDAPのほうが安全です。
よくある間違い
- 買主の国で輸入者になることも税務登録もできないのにDDPに同意する。
- 関税より高額になりうる輸入VATやGSTを忘れる。
- 持込価格を見積もる前に関税率や諸費用を確認しない。
DDPとDAPの違い
違いは輸入通関と、それに伴う関税と税金です。DDPでは売主、DAPでは買主の負担です。
日常業務向けにIncoterms® 2020をわかりやすくまとめた要約です。正式な規則は国際商業会議所(ICC)が発行しており、最終的には契約書の文言で決まります。Incoterms®はICCの登録商標です。
Incoterms 2020の全11規則
よくある質問
DDPには輸入VATが含まれますか?
はい、契約で除外しない限り含まれます。DDPでは売主がVATやGSTを含む輸入関税と税金を支払います。当事者は書面で別段の合意ができます。例:"DDP, VAT unpaid"。
なぜ多くの売主はDDPを避けるのですか?
売主が買主の国で輸入者にならなければならず、現地での登録が必要になることがあるうえ、関税、税金、通関の遅れにかかる費用も負担するためです。